オブスタクルレーザーラン2024 Presented by ENEOS 開催!

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令和6年7月7日(日曜日)。七夕のこの日にオブスタクルレーザーラン2024が(公社)日本近代五種協会主催、特別協賛ENEOS株式会社で行われた。場所は東京都調布市AGFフィールド。AGFフィールドはお隣の武蔵野の森総合スポーツプラザ、味の素スタジアムと共に東京オリンピック2020の近代5種会場となった懐かしい場所である。

何度かこのBlogでもお伝えしているように、私たちが医科学委員会としてかかわっている近代五種競技は馬術、フェンシング、水泳、射撃、ランニングの5種目で行われていたが、2週間後に行われるパリオリンピックを最後に馬術競技がなくなる。その代わりに行われるのがオブスタクルである。オブスタクルとは障害のことで、つまり小学校の運動会で行われていた障害物競争である。日本では「SASUKE」としてTBS系列TVで放送され人気を博しており、海外では「ニンジャ・ウォリアー」として広まっているようである。このオブスタクル競技が2028ロサンゼルスオリンピックから近代5種競技の馬術の代わりに採用されたのである。

そして、大会当日である。朝から快晴。ここ数日、7月上旬としては異例の暑さが継続しており、環境省から熱中症警戒アラートが出されていた。この熱中症警戒アラートが発表された場合JSPO(公益財団法人日本スポーツ協会)では暑さ指数(WBGT)31℃以上の場合、スポーツ活動は原則中止とするとの勧告を出している。このBlogで去年書かせていただいたように、ここ数年の日本の夏の厳しさは尋常ではなく、夏の屋外でのスポーツは危険と言わざるを得ない。とはいえ学生の夏休みに合わせての大会や大きなイベントとなると中止とすることが難しい状況にある。そして今年は6月中から真夏日に迫る気温が続き、まだ梅雨も明けていない状況でのこの高温続きである。暑熱順化もできないまま大会当日をむかえている参加者もいるかもしれない。熱中症には万全の対策を講じなければならない。

大会開始の9時。すでにWBGTは31℃を越えている。医科学委員会としてはこの状況を大会本部に警告したが、大会中止はしないということで、大会役員から、各自での身体冷却、補水をしっかりしていただく旨を参加者全員にアナウンスした。今回の大会は小学生、中学生、高校生、一般の部に分かれており、通常のアスリートのみの大会ではない。多くの人に近代5種の楽しさを知っていただき、未来のオリンピアンを目指してもらおうというものである。鍛えているとはいえ子供も参加するので万全の注意を払わなければならない。

9時過ぎから小中学生へのオブスタクルの講習会が始まった。今回は子供にもできるようにと平均台飛び越えやハードルくぐり、雲梯などなじみのあるものであった。さすが大会に参加しようという子供たちは上手にこなし、ハードルくぐりなどは小さな体を活かし、大人よりも早くこなしていた。

大会中、高温で雲梯の鉄棒が暑くなりすぎるため、テントを作って直射日光を避けたり、地面の温度を下げるため散水したり、エアーミストを設置したりと大会運営役員も対処に追われていた。

要項ではレーザーランにおいて、小学生は400メートル走ってレーザーガンの射撃を3回繰り返し、中学生はランが600メートル×3となっていた。小学生低学年の参加者にはかなり過酷だと思われる(私はいやです!)無事に全員完走したときには、保護者も大会スタッフもほっとしたと同時に、みんなで子供たちの頑張りをほめたたえていた。

小中学生の参加者が多くなかったこともあり、全員が表彰台に上がり、オリンピアンからメダルを授与されてうれしそうな笑顔がはじけていた。

午後になり、ますます気温が上がりWBGTは35℃を越え一時期は38℃まで達していた。その旨を大会本部に伝え、競技内容の変更もしくは時間変更を要請した。それを受け、高校生、一般の部のランニングを600メートルから400メートルへと変更していただいた。待機場所をクーラーの効いた部屋にする、選手たちに無償で水、塩分のタブレットを支給するなどの対処をし、熱中症ゼロで大会を終えることができてホッとしている。

今回の大会の一般男子の部には「SASUKE」に出場していたメンバーも参加しており、表彰台にのぼっている。彼はオブスタクルに関してはさすがにぶっちぎりの強さを示していたが、「レーザー射撃でてこずった」と悔しそうに話していた。インフルエンサーである彼は、すでに個人のインスタグラムに記事をアップしてくれている。オブスタクルが導入されることで近代5種競技がより多くの人に広まり、競技人口が増えると嬉しい。また日本発祥の「SASUKE」を模したオブスタクルがオリンピックで行われ、世界に広まることも誇れることであると考える。

それにしても、暑い、熱い一日だった。選手の皆様、応援のご家族の皆様、大会スタッフ、皆様お疲れさまでした!これからも暑い日が続きそうです。屋外でのスポーツ、活動では熱中症対策を万全にお願いいたします!!

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