理事長就任にあたって 理事長 嶋村 政博

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この度、杉山理事長の後を受け、理事長に就任いたしました嶋村です。

2020東京オリンピック・パラリンピックまで3年を、またプレオリンピックにおいては2年を切りました。

私たち(一社)かながわスポーツ・健康づくり歯学協議会では、スポーツマウスガード(SMG)の普及啓発活動を第一に行っています。特に、高校生には重点的に普及すべく、直接学校に訪問して個々に印象(歯型)を採り作製し、次回にSMGセット・調整をして、選手の口腔(口)に合ったSMGを安価で提供しています。このようなことを可能にするには、歯科医師ばかりでなく歯科技工士・歯科衛生士の協力が必須です。本会は、(一社)日本スポーツ歯科医学会を除き、全国に様々あるスポーツ歯科団体の中で、唯一コ・デンタルスタッフを含む団体です。

さらに、(一社)神奈川県歯科医師会の後援を得ながら、歯科医師や歯科技工士に日本スポーツ歯科医学会公認のMG講習会も開催しています。さらに、講習を受けた会員の診療所では、高校生までは普及啓発に協力してもらうために、本会の設定価格に準じてSMGの提供をお願いしています。

また、2年後の2019年ラグビーワールドカップが日本で開催されることに向け日本ラグビー協会では、中学生以上の試合ではSMG装着を義務化しています。それに伴い、学校のラグビー部やラグビースクールへの接触も行っています。

私の30年以上前の勤務医時代に、銀行マンが治療に来ました。その方は20代後半という年齢にもかかわらず、上の前歯4本が無く入れ歯でした。何故このようになったかを尋ねたころ、「ラグビーをやっていて前歯を失いました。これがラガーマンの勲章です」と言われました。そう、その当時は怪我をしても“魔法のやかん”で癒した時代でした。では、現在ではどうでしょう。今や、そのような方は見なくなりました。歯が欠けたり、抜けたりしても適切に治療すれば、元に戻すことが可能になったからです。

しかし、それ以前に歯を失うアクシデントを最小限にするためにも歯科医師が指導のもとで作製したSMGを装着することが大切です。業者が作るSMGは、咬み合わせの調整を行いません。それは、歯科医師にしか出来ないことなのです。調整不良のままでは、のちのち顎関節への影響が出て来る可能性が高くなります。ましてや格安の既製品に関しては、個人に合っていないため直ぐに外れたり、話しづらかったりと、使用感は著しく劣り、パフォーマンスに影響すら与えかねません。

ユニフォームや練習着、シューズには、費用を惜しまず与える父兄の皆様、是非ともその中にケガから大切な口腔を守る、「お口のライフジャケットSMG」を加えて頂きたいと思います。傷を負ってからでは遅いのです。

会員の皆様方、本会の趣旨をご理解の上、一人一人に応じたSMGの製作と適正な価格設定にご協力下さいますよう、お願い申し上げます。

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