| 投稿者名: 竹村直美
令和4年11月11日(水)から14日(日)、栃木県にて第61回全日本選手権が開催されました。
東京オリンピック、パラリンピックも終わり、次の世代のトップをかけて多くの選手がこの全日本選手権に参加しました。参加人数は男子16名、女子13名で、競技の特異性から自衛隊体育学校、警視庁の選手が多いのですが、今大会には日本体育大学、早稲田大学生そして高校生、中学生も参加していました。若い世代が多いことは競技の将来を考えると嬉しい限りです。ご存じの通り、近代5種は水泳、フェンシング、馬術、レーザーランと5種の種目をこなさなければなりません。この5種目を同時に行う場所を確保するのは大変で、選手、スタッフともに各会場を車で移動しながら3日間にわたる戦いを繰り広げることになりました。
今回の全日本選手権では医科学スタッフ8人中、SHPDentかながわから4人のスタッフが参加しました。私は12日金曜日の一日だけの参加でしたが、男子の水泳、フェンシング、馬術競技を担当しました。朝7時には最初の種目が行われる河内総合運動公園のドリームプールかわちに集合。到着した選手やスタッフは入場前に検温と体調チェック表の提出が義務付けられています。緊急事態宣言が解除され、新規感染者数も少ない状態を保っていますが、まだまだ油断大敵!万全の感染対策で臨もうというのが医科学委員たちの思いです。
その後、フェンシング会場の河内体育館へ車で移動。先ほどの温水プールでは半袖で競技を見守っていましたが、今度は寒くて上着を着こんでの見守りになります。フェンシング競技は選手同士が近距離で戦うので、近代5種の中でも一番感染対策に気を遣う競技です。選手たちがピスト(競技場)を移動する間にシートや備品を消毒するなど対策をとりました。
午後は車で1時間ほど移動した壬生乗馬クラブで馬術の競技です。選手は馬術服に着替え、それぞれに集中力を高めます。馬術服姿の選手の皆さんは本当にかっこいいです!馬もよく手入れされている素晴らしいお馬さんぞろいです。馬術は見た目にもとても花のある競技ですが実は一番危ない競技で、落馬すると重大事故につながる可能性があります。私たち医科学スタッフとしては気が抜けません。もしもの時のために、搬送用のバックボードや医薬品、AEDの確認などの準備をして待機です。
今回の大会ではフェンシングで打撲した選手が一名いましたが、帯同ドクターの適切な処置によりその後の競技も続行できました。アイシングやテーピングなどアスレチックトレーナーさんも活躍してくれました。全選手が大きなけがもなく大会を終えられたことにほっとしております。
今回の大会で特筆すべきは女子の優勝が最年少、中学生の太田捺さんだったことです。彼女は北海道、根室在住ですが、全日本選手権はもちろん定期的に東京で行われる記録会にも姉の楓さんとコーチの3人で参加されています。今後が楽しみな若い選手です!
もう一つは悲しいお知らせです。パリオリンピック以降、近代5種競技から馬術が外れることが決定したようです。代わりにどんな競技が加わるかまだ決定していないようですが、クーベルタン男爵が提唱し、キングオブスポーツと呼ばれる近代5種が変わってしまうのはとても残念です。